2013年12月29日日曜日

木製ワイングラスを作り続ける理由

実は私はワインが大好きです。作成する商品が木製ワイングラスをメインにしているのも、つまりはそこにあります。ワインを飲むとき、ワイングラスで飲まなかったら、どうでしょう?たぶんあまり美味しく感じないと思います。ワイングラスはワインとセットなんですね。   そんな訳で、ワインを飲み始めてからワインだけでなくワイングラスにも興味がわいてきました。ワイングラスのデザインの美しさ、種類の豊富さ等、その繊細なデザインがワイン以上に私を魅了するのです。
もともとウッドターニングを趣味でやっていたものですから、木で作れないものだろうかと思いやってみたというわけです。しかし、これが意外と簡単ではありませんでした。まず材料は単純に普通のぐい飲みの倍いります。カップ部は一番末端にあるため、穴を刳り貫くことの困難さ、カップをなんとか削り終えたとしてもそれから細いネックを削っていかねばなりません。木という物は細く削るほど反りや曲がりもでてきます。このそりを抑えながら最後まで完成品に持っていく事のなんと大変だったことでしょう。しかも問題はそれだけではありませんでした。完成した瞬間から変形が始まるのです。新しい木を使えばもちろんの事、なんと何十年寝かせた木でも削り終えた瞬間から変形が始まるのでした。もちろん、寝かせた木はそれなりに変形は少ないのですが、それでも時間が経ってからよく見ると、かなり変形しているのです。しかもその変形は時間と共に大きくなっていくものもあります。結局この変形を食い止めるための方法は何度も削り直すということでした。それしかないのです。ですから売り物にするためには本当に時間がかかります。ネットショップをはじめたはいいが未だに掲載商品が少ないのはそこに原因があります。これは大丈夫だと思って載せていた商品でもいざ注文を受けて発送しかけてみると、思わぬ変形をしているということもけっこうあるのです。
それでもやはり、なぜか他の器物はあまり作る気になれなくて未だにワイングラスばっかり作ってしまいます。作ったうちの3割ぐらいしか商品にはなりませんが、、、、本当は変形した状態に木の良さ、味があるのだ、という方もありますが、(私もそう思います)いざ注文を受けてみるとそれをお客さんに出す気にはどうしてもなれません。とりあえず、完成してから変形がそれ以上進行しないと確認出来たものが旋樹堂の商品になります。
話がちょっとずれましたね。ワイングラスの形は作れば作るほど、色々な形が出来て、その中から本当にいいなあと思う物が出来るのですが、その形は無限にあるのですね。出来た形すべてがこの世に生まれた存在感のようなものを出してくるので、どうしても作り続けてしまうのでしょう。


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