先日から愛用の汎用旋盤の刃物台の送りネジがちびてガタガタになっていたのを直そうとして悪戦苦闘していたのですが、本日やっと修理が完了したので、その様子をアップしました。
これが愛機のワシノLPT-35です。
上の画像が元の送りネジです。
12mmのピッチ3の特殊な送りネジです。
雌ネジはほとんどネジがない状態で,雄ねじも真ん中あたりがかなりちびていますね。
とりあえず最初は、真鍮製のメスネジを作ってしまおうとして材料を削り出し、タップを作って台形ネジのタップ切りに挑戦したのですが、最後はタップが折れて心も折れた、、、というところでそのままになっていました。
あれからいろいろと考えて作戦変更です。
まず、12mmのピッチ3の送りネジが手に入らなかったので、ここは思い切って、送りネジを14mmに変更してしまおうと考えました。
14mmならピッチ3のネジが普通にモノタロウで手に入るので、それを選択、雌ネジと一緒に発注しました。上の画像が送られてきた台形ネジのセットです。
さてここからが大変です。上の画像の元の送りネジの形に加工していかなければ当然のことながら使えません。ネジ部分は当然大きくなるのですが、端部の加工はきっちりと寸法を合わせないといけません。雌ネジも一体物で作ってあったものを2つの部品を結合する形にしなければいけませんのでそれなりの形にしていきます。
まずは雌ネジの加工からです。
フライスで上下に平たい面を作ります。
こんな感じに
止め穴にささる20mm径の棒も削り出し、面出しした雌ネジにのせてみたところです。これを溶接して一体物にすれば右の元の部品とおなじ機能をはたせます。ようはネジを切ることができないので溶接して一つの部品にしてしまうという作戦です。ということで雌ネジの材料は溶接することを考えて鉄製にしたというわけです。
そして溶接して一体物にしたのがこちらです。この形にすれば元の部品と同じように使えます。
今度は手で持っている部品と同じ形をめざして末端を慎重に削り出しましょう。旋盤にはさんで加工していきます。
けっこう上手く加工出来ました。
ネジは10mm×0.75なのでダイスがなかったので直接旋盤でネジを切りました。
あとはこのバラした部品を組み上げたら完成です。
こんな感じで、、
やっと完成です。^^/
これでずっと気になって他のことに集中することができなかったのがなくなり安心していろいろとできます。
試し削りも問題なく、ネジの遊びがなくなって非常に快適に作業が出来るようになりました。